電電学生の脳内メモ帳.

電気電子工学生の脳内メモです。

2020/12/26 Z170 Extreme4 VRMファン 製作

2020/12/26

※これは個人的な趣味の記録のために書いている日記です。他者が読むことは想定していませんのでご了承ください。稚拙な文章や内容の誤りを多く含みます。また個人が特定できる情報が含まれていることがありますが、知り合いがこのブログを見つけてしまった際はスルーしていただけると助かります。

 

  先日の実験でQQLSのクロックの急低下はVRサーマルスロットリングが原因であり、マザボVRMヒートシンクを120mmファンで冷却するとサーマルスロットリングは発生しないことがわかった。ただ前回はファンをグラボの上に置いたのみで一切固定ができておらず、この状態で常用するのは現実的ではなかった。そこで今回はファンステイと60mmファンを購入し、VRM専用ファンを製作した。

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長尾製作所 SS-NFSTY-SMG

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AINEX CFZ-6010SA

ファンサイズは水冷ヘッドとの干渉を考慮して60mmを選択した。以下の画像はファンステイと60mmファンを設置した様子。

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ファン&ファンステイを設置した様子

120mmから60mmへファンサイズを変更したので、VRMヒートシンクの温度を改めて測定した。測定条件、手順を以下に示す。

 

【PC構成】

CPU:Core i9-9980HK ES QQLS All Core 4.7GHz 1.26V

M/B:ASRock Z170 Extreme4

Cooler:MasterLiquid ML240L RGB

CASE:Master Box Lite 5

FAN:MF120R RGB 120mm x3 (ラジエーター用x2、排気用x1)

 

【測定環境】

室温:23℃、ケース側面パネル解放

 

【実験手順】

(1) PCをアイドル状態で10分間放置する。(運転準備)

(2) 10分経過時点でCPU-Zの"Stress CPU"でCPU使用率を100%にし、VRMに負荷を20分間掛け続ける。

(3) サーミスタ(103JT-025)とテスターを使用して抵抗値の変化を記録する。記録した抵抗値から温度を算出する。

 

温度の算出には以下の式を利用した。

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   測定結果を以下に示す。

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CPU高負荷時 VRMヒートシンク温度 (60mmファン有)

温度は最終的に57℃程度に収束し、サーマルスロットリングは発生しなかった。比較対象として前回測定した120mmファン使用時と、ファン不使用時の温度を以下に示す。

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CPU高負荷時 VRMヒートシンク温度 (120mmファン有)

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CPU高負荷時 VRMヒートシンク温度 (ファンなし)

ファンがない場合と比較すると、最終的な温度差は約18℃であり、小口径の60mmファンでも一定の効果があることがわかる。120mmファンと比較すると、60mmファンの場合は約7℃高いことがわかる。サーマルスロットリング発生までの温度差は約13℃だった。ケース側面パネルを閉めた場合や、夏場の室温上昇などを考慮すると、60mmファンではサーマルスロットリングの発生を完全に防ぐことは難しいかもしれない。ただCPU使用率100%の状態を20分間継続することは稀であり、実用上は大きな問題はないと思われる。

 

【総評】

  今回購入した60㎜ファンとファンステイを使用した場合、VRMヒートシンク温度は約57℃に収束した。ファン不使用時との温度差は18℃であり、小口径の60mmでも一定の冷却効果が得られることがわかった。サーマルスロットリングの発生温度までは約13℃の余裕しかなく、夏場などはサーマルスロットリングが発生する可能性があることがわかった。ただ今回のような高負荷を20分間掛け続けることは稀であり、実用上大きな問題はないと考えられる。