2020/12/24 魔改CPU QQLS クロック低下について
2020/12/24
※これは個人的な趣味の記録のために書いている日記です。他者が読むことは想定していませんのでご了承ください。稚拙な文章や内容の誤りを多く含みます。また個人が特定できる情報が含まれていることがありますが、知り合いがこのブログを見つけてしまった際はスルーしていただけると助かります。
先日購入したQQLSだが、ALl Core 4.7GHz 1.30VにOCした状態でOCCTを掛けると数分程度でクロックの急低下が発生することがわかった。以下がクロック急低下時のHWiNFO64の画像。
設定クロックの4.7GHzとベースクロックの2.1GHzを往復していることがわかる。通常のサーマルスロットリングはクロックが緩やかに低下した後維持されるのに対し、今回は最高クロックとベースクロックを行き来しているのが特徴的である。高負荷時のみこの現象が発生していることから、何らかの安全装置が作動していると考えられる。
QQLSはノートPC用CPUの改造品であることから、当初はこのCPUが原因ではないかと考えた。上記画像からもわかるように、OCCTで高負荷を掛けたときのCPU温度は約85℃であり、発熱によるCPUのサーマルスロットリングを疑った。そこでHWiNFO64より閾値(Tjmax)とサーマルスロットリングの有無を確認したが、TjmaxはデスクトップCPUと同じ100℃であり、サーマルスロットリングも発生していなかった。9980HKのTjmaxも同一の100℃であることから、ノートPC用CPUであってもサーマルスロットリングの閾値が低いということはないと思われる。念のためBIOSからサーマルスロットリングの無効化も行ったが、やはり症状は改善しなかった。よってCPUのサーマルスロットリングが原因ではないとわかった。
次にマザボのCPU電源の給電能力の不足を考えた。今回使用しているマザボはZ170 Extreme4、第6世代 Skylake向けの製品である。Skylakeのメインストリーム最上位モデルは4C/8Tの6700Kであり、8C/16TのCore i9の搭載は想定されていない。ただこれではクロックの低下まで数分間の時間差があることの説明がつかないことから、給電能力の不足ではないと思われる。
結局原因がわからず、Intel XTUでクロックの低下が発生しない限界を探っていたところ、クロック低下時に "Motherboard VR Thermal Throttling"なるものが有効になっていることに気が付いた。
"Motherboard VR Thermal Throttling"について調べたところ、どうやらマザボのVRMフェーズのサーマルスロットリングのようだ。OCによってVRMフェーズがかなり発熱していることは当初から認識していたが、Z170 Extreme4にはVRMに温度センサーがなく(HWiNFO64からは確認できず)、全く温度は把握できていなかった。温度センサーがないことからサーマルスロットリングの機能もないと考えていたが、どうやら間違いだったようだ。
VRMフェーズの過熱が原因だとわかったため、120mmファンを用いて冷却を行ってみた。
この状態でOCCTを掛けたときのクロックやCPU温度の変化を以下に示す。
クロックの低下が発生しなくなったことがわかる。VRMフェーズの過熱が原因だったということが改めて確認できた。120mmファンで冷却することで、VRサーマルスロットリングが防止できることがわかった。
【総評】
今回発生したクロックの急低下はマザボのVRMフェーズの過熱によるVRサーマルスロットリングが原因であり、120mmファンでVRMを冷却することで解決できることがわかった。ただVRM温度は依然として把握できておらず、VRサーマルスロットリングが発生する閾値もわかっていない。マザボの耐久性の観点からも、VRM温度を測定する必要があると考える。